特徴的な製品でワークステーション市場のシェア獲得を狙うレノボ | マイ … – マイナビニュース



既報の通り、レノボ・ジャパンはワークステーション「ThinkStation」シリーズの新製品として「ThinkStation P920」と「ThinkStation P720」の販売を開始した。

今回発表された2モデルは、いずれもCPUにSkylake-SP世代のIntel Xeon Scalableプロセッサを2ソケットで搭載。P920は最大56コア/112スレッド(28コア/56スレッド×2)、P720は最大48コア/96スレッド(24コア/48スレッド×2)のマルチコア環境を構築できる。

「ThinkStation P920」と「ThinkStation P720」の製品概要
ワークステーションの製品ポートフォリオ。「ThinkStation P920」と「ThinkStation P720」はハイエンドモデルとなる

さらにNVIDIA Quadro P6000やNVIDIA Quadro GP100といったPascal世代のワークステーション向けGPUの上位モデルをサポート。「2基のNVIDIA Quadro GP100をNVLink構成で搭載できるが、これを公式でサポートしているのはLenovoのみ」(レノボ・ジャパン ワークステーション製品事業本部 高木孝之氏)だという。

P920はGP100カード間のインターコネクトにNVLinkを利用できる。このブリッジコネクタ部分が厚く、ほかの製品ではケースに収まらないのだという

最新世代のプラットフォームへ刷新することで、メモリも従来の4チャネルから6チャネルへと強化。P920は最大2TB(発売時は1TB)、P720は最大384GBの大容量メモリの搭載が可能だ。

ThinkStation P920の仕様
ThinkStation P720の仕様。GPUが2基なのは電源容量によるもの

これらにより、CADや映像編集などの実アプリケーションワークロードによる3Dグラフィックスの性能評価を行う「SPECviewperf 12.1」、30種類以上のワークロードでCPUやGPU、I/O、メモリ帯域の総合性能を評価する「SPECwpc 2.1」では、従来世代の製品に対して大幅な性能向上を実現する。

SPECviewperf 12.1での性能検証
SPECwpc 2.1での性能検証

想定するワークロードは、4K/8K映像の編集やフォトリアルなCGレンダリングといったリアルタイムでの大規模データ処理のほか、解析・シミュレーション、VR/MR、AIなど幅広い。特にディープラーニングでの引き合いは強く、本格的な展開はサーバ/クラウドベースも多いが、基礎研究やアルゴリズムの検証用にワークステーションを導入するケースもあるという。

想定するワークロード

ストレージの構成は、P920で3.5インチが最大6基、または2.5インチが最大10基、M.2 PCIe NVMe SSDが最大9ドライブ。一方のP720で3.5インチが最大5基、または2.5インチが最大10基、M.2 PCIe NVMe SSDが最大9ドライブ。1つのトレイに2基のドライブを搭載できるFLEXトレイを採用する。また、オプションとなるが最大4基のM.2 SSDを追加できるPCIe拡張カード「Quad M.2 PCIe SSDアダプターカード」も提供する。

FLEXトレイを採用
PCIe拡張カード「Quad M.2 PCIe SSDアダプターカード」をオプションで提供

なお、Intel Xeon Scalableプロセッサで導入された仮想RAID機能「Intel VROC」をサポート。RAIDボリュームからのブートが可能といったメリットに加えて、部分書き込み状態エラー(RAID 5書き込みホール)を防ぐためにバックアップ用バッテリーを搭載する高額なRAIDカードが不要になるコストの急激な増加を抑えられるとしている。

Intel VROCをサポート

Intel VROCを利用するには、物理的なアクティベーションキーが必要となるが、RAID 0/1/10に対応するVROC BasicとRAID 0/1/5/10に対応するVROC Premiumを提供する。

ハイエンド構成に対応するように筐体にも工夫が施されている。フロント面はハニカム構造のメッシュを採用し、ベンチュリー効果によりエアフローを向上させた。また、内部にエアーバッフルを設けることで滞留しがちな暖気を背面にガイドする。これらにより3基のシステムファンで冷却が行えるという。

フロントパネルはハニカム構造のメッシュを採用
中央にあるのがエアーバッフル

さらにトラブルがあった際のダウンタイムを短縮する機能も盛り込む。電源ユニット部分などはツールレスで取り外し可能で、もし故障があった場合でも迅速に交換できるほか、システム稼働中におけるエラーを通知、トラブルシューティングを行う「ThinkStation Diagnostics」と、OSが起動しないシステムダウン時にスマートフォンを通じて診断する「Lenovo PC Diagnostics」を用意する。

赤いラインがある部分をレノボでは「タッチポイント」と呼んでおり、ここがツールレスで外すことができる。ストレージや電源ユニットはホットスワップに対応していない。あくまで不具合があった際にすばやく交換し、ダウンタイムを減らすものとなる
診断機能も備える

Lenovo PC Diagnosticsは、フロントパネルに備えた光電センサーに、スマートフォンのフラッシュで診断用の信号を送り、内蔵したスピーカーからオーディオトーンで診断情報を伝達。スマートフォンのマイクで受信することで、エラー情報を取得できる。エラーコードはフロントパネルにも表示されるので、これを手動でスマートフォンに入力しても診断情報が得られる。従来はAndroid向けに提供してきたが、新たにiOSにも対応する。

このほか、レノボでは主要なISVの認証取得を進めるとともに、クリエイター向けコミュニティへの支援を加速する。レノボによると、日本国内におけるワークステーション市場で、同社のシェアは1桁%とわずか。シェア獲得に向けて専任部隊を新たに立ち上げている。

主要ISVの認証も取得

2017年7月には超小型ワークステーション「ThinkStation P320 Tiny」を発表。さらに今回ハイエンドモデルを刷新。特徴的なモデルを投入することで、存在感を高めたい考えだ。




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