4980円で買えるAlexa対応スマートスピーカー「Eufy Genie」と「Echo Dot」を比較して分かったこと – BIGLOBEニュース



Ankerの「Eufy Genie」。Amazon Alexa対応の安価な小型スマートスピーカーだ

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 「Google Home」互換と呼べるGoogleアシスタント対応のスマートスピーカーが各社から続々とリリースされている。前回までにレビューしたソニー「LF-S50G」、オンキョー「G3」の他、JBLの「JBL LINK 10」「JBL LINK 20」など、選択肢は増えつつある。
 一方のAmazon陣営も、複数のメーカーからAmazon Echo互換機と呼べる「Amazon Alexa」対応スマートスピーカーが発表されている。その1つが、今回紹介するAnkerのスマートスピーカー「Eufy Genie(ユーフィー・ジニー)」だ。2017年12月21日にAmazon.co.jpで販売を開始した(Echoと同様に招待制での販売)。
 この製品、海外では既に半年ほど前から販売されているのだが、見た目はEcho Dotとほぼそっくりながら価格が若干安いことが特徴だ。Amazon.co.jpでの販売価格(税込)はEcho Dotが5980円、Eufy Genieが4980円と1000円安い。
 今回はメーカーから評価機を借用したので、そのレビューをお届けしよう。なお発売前に試用した機材なので、市販されるモデルとは相違がある可能性をあらかじめ了承いただきたい。

●Echo Dotより少し大きなボディー Bluetoothは非搭載

 まずは外見から見ていこう。見た目はEcho Dotとそっくりだが、並べるとかなり厚みに差があることが分かる。筆者はEcho Dotをディスプレイ左右の下部スペースに設置しているが、Eufy Genieを同じ場所に設置しようとした場合、高さがあるため天板のボタンが押せなくなってしまう。
 天板には音量の大小ボタンに加えて、マイクのミュートボタン、ファンクションボタンが配置されている。これらの種類および上下左右のレイアウトはEcho Dotと同様で、両製品を併用する場合も、ボタンの配置および機能の違いで混乱する心配はない。LEDの配色や点灯パターンも同様だ。
 パッケージにはACアダプター、オーディオケーブルが付属する。ACアダプターはEcho DotのようにUSBケーブルとアダプターが分離しているタイプではなく直結式だが、本体側のコネクター自体はMicro USBなので、試した限りではUSB給電でも問題なく駆動する。
 Echo Dotとの大きな違いとして、Bluetoothを搭載しないことが挙げられる。これによりEcho Dotで使える2つの機能がEufy Genieでは使えない。1つは、PCやスマートフォンとBluetoothで接続し、本製品のBluetoothスピーカーとして使う機能。もう1つは、外部のBluetoothスピーカーに本製品の音声を出力する機能だ。
 これらは使わない人にとっては全く不要な機能なので、コストダウンの結果として切り捨ての対象となったのは理解できる。Bluetoothの機能が使いたければEcho Dotを買うという、1つの差異化ポイントと捉えておけばいいだろう。

●Eufy専用アプリ→Alexaアプリの2段階で設定

 設定については、まず専用の「EufyHome」アプリをインストールして初期設定を行い、その後Alexaアプリと連携させるという2段階の手順を踏む。Googleアシスタント対応のスマートスピーカーが、Google Homeと同じアプリを使い、同様のフローで設定を行うのとは対照的だ。
 なお、Eufy GenieはWi-Fiが2.4GHz帯にしか対応しない。スマートホーム関連製品は5GHz帯に対応せず2.4GHz帯しか使用できない例は少なくないが、本家Echoは5GHz帯に対応しているだけに、既にEchoの利用環境を5GHz帯で構築済みの場合、Wi-Fiルーター側でもう1つ2.4GH帯のチャンネルを用意してやる必要がある。
 利用時の挙動はEcho Dotとほぼ同様で、セットアップ時は天板のリングがオレンジに、それ以外の応答時にはブルーに点灯する。音量を上げ下げすると、それに応じてリングの点灯状態が変化するのも同様だ。ちなみにこのリングはEcho Dotのように本体の外周部ではなく、天板のやや中央寄りに配置されている。

●機能および性能をEcho Dotと比べると……?

 使い始めてまず気付くのが、Echo Dotで用意されていた設定項目の幾つかが、Eufy Genieでは省かれていることだ。
 1つは、ウェイクワードが「Alexa」に固定されていることだ。本家のEchoでは、「Alexa」の他に「Amazon」「Echo」「Computer」という選択肢が用意されているが、Eufy Genieは「Alexa」一択で変更ができない。筆者は「Alexa」で慣れてしまっているので問題ないが、人によっては困るかもしれない。
 むしろ深刻なのは、話し掛けた際に「ポン」と鳴って反応する、いわゆる応答音を設定する機能が省かれていることだ。筆者はこれまでEcho Dotで応答音のあるやりとりに慣れてしまっているので(ちなみにGoogle Homeでも同様だ)、こちらは非常に困る。米Amazon.comのカスタマーレビューを見ても、この点をマイナス評価している声はかなり多い。
 またマイクの性能も高くはないようで、Echo Dotに対して話し掛けるのと同等の声量で話し掛けても反応しないのは日常茶飯事だ。時間を聞いたはずが音楽の再生を始めたり、特定のスキルを起動しようとしたらそのワードで検索を始めたりと、見当違いな動作が目につく。
 Echoでもこうした症状は皆無ではないが、Eufy Genieはその頻度がやや(というよりも、かなり)高い。しかも前述のように応答音が省かれているため、きちんと聞き取られたか確認する方法が、目視でLEDを見て判断するしかないのが痛い。
 もっとも改善策はある。なるべく至近距離から、できるだけ大きな声で話し掛けることだ。そうすれば、上に述べたような問題はかなり低減される。つまり音声コマンドを把握した後の動作は問題がなく(中身がAlexaなので当然だろう)、やはりマイクの聞き取り性能の問題である可能性が高そうだ。
 この他、最小音量がかなり大きく、音声コマンドを使って音量を最小の1%に指定しても、なおそこそこの音量で音が出る。海外製品によくみられる特徴だが、夜間に音量を絞って枕元で音楽を聴く用途では、Echo Dotの方が向いているように感じる。

●Echo未経験者なら許容できる可能性はあるが……

 以上、1週間ほど使ってみての評価をお届けした。実際に試用するまでは、その外見からしてEcho Dotのボディーを差し替えただけのOEMモデルかと予想していたが、実際には全く別物のようだ。少なくとも日本向けに販売されている第2世代のEcho Dotとは、機能も性能も、2ランクくらい違う印象だ。
 もともとEcho Dotは、既にEcho(DotではないAmazon Echo)を導入済みの家庭で、「各部屋に1台ずつ」を実現する低価格モデルであり(現在の日本での売られ方は若干異なっているが)、Eufy Genieもこれに近いターゲット層を狙っていると考えられる。その上で、Bluetoothを省いて価格を下げることで、Echo Dotと差異化しているというわけだ。
 しかし今回使ってみた限りでは、Echoと混在させて使うのはあまりおすすめしない。というのも、Echoと性能差がありすぎて、同じ感覚で使うのが難しいからだ。特に隣室になるべく聞こえないよう、小声で話し掛けざるを得ない環境での利用には、あまり向いていないと感じる。
 あるとすれば、大きな声で話し掛けても違和感のないリビングや、オフィスなどでの利用が中心になるだろうが、その場合も応答音が設定できないなど、機能面での違いを許容しなくてはいけない。同じAlexa対応スマートスピーカーでここまで違うのかと驚くほどで、既存のEchoユーザーはなかなか違和感が抜けないだろう。
 一方、これまでEchoを使ったことのない人であれば、マイク性能の違いも機能差も「まあこんなものか」と許容できてしまう可能性はある。ただしその場合も、Echo Dotとの価格差はわずか1000円で、Eufy Genieを選ぶ決定的な理由になりにくい。ひとまずメーカーには、ソフトウェアで改善できる部分、具体的には応答音の追加を望みたいところだ。
【連載:山口真弘のスマートスピーカー暮らし,ITmedia】




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