「DJI Spark」のレビュー 小型で高性能な空撮自撮りドローン – ガジェット通信



DJI から昨年夏に発売された小さいながらも GPS / GLONASS による安定した飛行、特に自撮り機能に優れ、Android スマートフォンでも操作可能なドローン「Spark」のレビューをお送りします。Spark は現在国内で販売されている DJI 製ドローンの中では最も小型で他モデルよりも安くグレードも一番下の機体になりますが、数千円で購入できるおもちゃドローンとは比較にならないほど、機体の完成度、操縦性、機能を有しており、ドローン全体から見ると明らかに上級者のハイスペックな製品に分類できます。Spark は単体モデル(54,800 円)と送信機やスペアのインテリジェント・フライト・バッテリー、DJI ロゴのドローンバッグ、バッテリーを 3 個まで同時に充電できるバッテリーハブが付属しており、79,800 円で購入できます。今回は思い切ってセット品を選択しました。Spark は DJI 製品の中だと下位モデルになりますが、機体内部には加速度センサー、ジャイロスコープ、気圧センサー、GPS / GLONASS の GNSS レシーバー、機体前方にステレオカメラで前方の障害物を検出する「3D 検出システム」、機体下部にステレオカメラと音波センサーで地面に対する自分の位置と高さをリアルタイムに認識し安定したホバリングを実現する「ビジョンシステム」が組み込まれており上位の、Mavic Pro と遜色ない飛行性能を発揮します。また、空撮用のカメラは 1/2.3 インチ 1,200 万画素というハイエンドスマートフォンクラスのイメージセンサーを搭載するほか、2 軸のジンバルを装備しており、ブレないとても安定した空撮が可能です。Spark はこれらの電子部品を手の平サイズのコンパクトな筐体に搭載しているため、室内でも屋外でもホバリングは驚くほど安定しており、屋外で遠くに飛ばしても GPS / GLONASS によってワンタッチでちゃんと自分の元に戻ってきます。操縦に欠かせないのがスマホアプリ「DJI Go 4」です。このアプリにはフライト画面、カメラボタン、仮想ジョイスティック、機能ボタンを提供し、送信機とスマートフォンをリンクさせている場合には仮想ジョイスティックは無効になります。カメラがスマホ並みなのでフライト画面は鮮明で、アプリには地図モードもあり、これでドローンが目視外に行っても、スマートフォンの画面を見るだけで操縦することができます。Spark には基本的なフライト機能のほか、被写体を追尾しながら上空を飛行する「アクティブトラック」、映画のワンシーンのような魅力溢れる空撮を再現できる「クイックショット」、手の平や腕のジェスチャーだけでドローンを離陸から着陸まで完全に制御できる「ジェスチャーコントロール」、スマホの画面をタップした部分に飛行させる「タップフライ」、高速で俊敏な飛行を楽しめる「スポーツモード」、ゆっくり動き室内移動や風景を綺麗に撮れる「トライポッドモード」等も Spark ではサポートしています。ドローンと言ってもクアッドコプタータイプのドローンは実に多くの機種が存在しています。安ければ 2,000 ~ 3,000 円から購入できます。そのような安価なドローンは買いやすい一方で、GPS 等の測位システムが無かったり、姿勢を安定させるセンサーが不十分だったりすることが多く、ドローンを墜落や衝突させてしまい、すぐに壊してしまうことが多いと思いますが、Spark はこれまでに 50 回程度の離着陸をさせるほど飛行させましたが、これまでに一度も墜落、衝突、消失することはありませんでした。今でもほぼ無傷の状態です。個人的に、安いドローンを次々と買い替えても、結局はどれもダメにしてしまうよりかは少し奮発して高性能なドローンを選んだ方が楽しめますし、何よりも飛行が安定しているので操縦に慣れるとははるかに安全だと思います。そういう観点を踏まえてドローンを選択すると良いものに出逢えそうです。これだけでもいかにSpark と他の安価なドローンとの間に大きな違いがあるのかがお分かりいただけたと思いますが、ドローンでとても重要なホバリング性能をもう少し詳しくお伝えします。その前に次の動画をご覧ください。ほぼ無風時と強風時のホバリング安定性を比較しています。

Spark のホバリングはその場でピタッと静止しているかのごとく安定しており、屋外でも “そよ風” 程度の風ならビクともしません。それくらい安定しています。それは室内でもです。例えば室内だと、ホバリングさせた状態で何の心配も無くトイレに行けます。安価なドローンだとプロペラが巻き起こす風で機体が常に動くので目を離せませんが、Spark にそのような心配はありません。ホバリング性能も Mavic や Phantom といった他の上位モデルと比較しても見劣りしないレベルだと思います。何故これほどまでにホバリングが安定しているのかは、高度 30m 以下では機体下部のビジョンシステムが地面に対する機体の位置を把握して同じ所に留まろうと自動的に機体を制御し、30m を超える高度では GPS / GLONASS による制御が働くからです。一般的に GPS の誤差は数 m 程度ですが、Spark に限らず DJI 製ドローンは離陸した位置の座標と模様を記録し、着陸の際にそれと比較し調整することで、目視外の遠くに飛ばしてリターンさせても、離陸時と着陸時のズレは 1 ~ 2m 以内の場合が多いです。数十センチの差だったり、ほぼピッタリだという事例も多く見かけます。Spark の機体質量は 300g と一つ上の Mavic と比べると半分以下の軽さですが、風には予想以上に強く、今の時期なら悩ましい強い北風の中でも Spark は姿勢を微調整しながらホバリングを維持しようと耐えていました。それは強風で機体が傾き自動着陸できないほどです(風が落ち着いたところで無事に着陸させました)。この頑張り具体を見て、Spark のホバリング性能には一定の信頼を置いています。もちろん、台風時並みの暴風だと容易に流されてしまいそうなので、Spark に限らず、ドローンを飛ばす際にはその日の天候や風の強さを考慮すべきです。次に Spark の機能をご紹介していきます。Spark で出来ることは多岐に渡り、それは 10 万超えの Mavic Pro / Platinum 相当とでも言えますでしょうか。もちろん、性能的には Mavic の方が優れており、Mavic と比較すればカメラは 2 軸ジンバルで動画も 1080p までしか撮影できなかったり、バッテリー 1 本の飛行時間は公称 16 分と Mavic Pro Platinum の公称 30 分よりも短かったりします。また、アクティブトラックに「スポットライトモード」が無かったり、「ドローモード」も非サポートなど、機能にも若干の制限があります。しかし、Spark はドローンではなく “空撮セルフィーカメラ” とも呼ばれるほど、主に低空での空撮機能が充実しており、その中でも「ジェスチャーコントール」はスマートフォンすら使わずに離陸から着陸までの一連の飛行を制御することができて便利です。Spark は機体の電源ボタンを数回押すだけで離陸させることができ、例えば屋外でダンスの練習をしている自分を空撮したい、広場に集まっている学校やサークルの仲間たちと空撮集合写真を撮りたい時でも、送信機やスマホを操作することなく簡単に空撮することができます。スマホの自撮りを進化させたい方に Spark はその役割も十分に果たしてくれることでしょう。

この「ジェスチャーコントロール」の機能は、先ほどもご紹介した「Palm Launch / Land」の他、Spark のカメラ前 0.7m 付近に手の平をかざすと「Palm Control」が作動し、Spark を上下左右前後に移動させることができます。また、Spark の前に立ち、指で写真の枠を象ると写真を撮影し、片手を斜め 45 度に上げると動画を撮影・停止します。ジェスチャーコントロールの中でも秀逸なのがフォロー機能です。Spark の前で「バイバイ」のように手を振ると、Spark は少し後方に移動し、さらに少し上昇します。空撮にはちょうど良い距離感です。ここで写真や動画を撮影すると素晴らしい空撮セルフィーの完成です。また、その状態で「Y」を象るように両手を挙げると Spark はユーザーの元に降下接近し、同時にユーザーの追跡をはじめます。走っている自分やサイクリングしている自分を空撮するのに便利です。みんなで走っている様子を動画に撮ることにも役立ちます。実際にジェスチャーコントロールを試したところ、案外難しいものです。特にここだろうと思っておいた手の位置が Spark から見ると少しずれているため上手く認識されないといったことに遭遇します。使いこなすにはそれなりに練習しなければなりませんが、結果的に全てのジェスチャーコントロールを全て機能させることができました。ドローンと言うと、遠くに飛ばして普段は見ることのない絶景を自分自身で撮影することに魅力と好奇心を感します。Spark はそのようないわゆる空撮もそれなりにこなせますが、他とは少し指向が異なるドローンしかも、DJI Go 4 アプリのカメラ機能はスマートフォンカメラのようにカメラパラメータを調節して撮影したり、タップで特定の場所に AF / AE を当てたり固定することもできます。ドローンの飛行に慣れてくると、空撮そのものに拘る楽しみを満喫することができます。空撮機能に優れた Spark を語る上で欠かせないのが「クイックショット」でしょう。これは映画やドラマの空撮シーンでありがちな撮影手法を再現しながら 10 秒間のショートムービーを作成する機能になります。他の機種にも搭載されていますが、Spark には斜め上に遠ざかる「ドロニー」、ロケットのオンボード映像のような「ロケット」、自分を中心に周りながら螺旋状に飛行していく「ヘリックス」、そして Spark から導入された円を描くようにユーザーの周りを一周する「サークル」の 4 種類が選択可能です。いずれも距離や飛行半径をユーザー側で調節できるので、あまり遠かったり広い範囲で飛ばせない状況でも映画のワンシーンのような素晴らしい空撮が可能です。しかも、DJI Go 4 アプリはクイックショットを自動的にアレンジするので手間いらずで一つの作品に仕上げることができます。

Spark は基本的に送信機またはスマートフォンを使って操縦します。ジェスチャーコントロールもありますが、突風に煽られるなど直ちに手動で操縦しないと危ない事態になるとまずいので、メーカーは利用の際に送信機やスマートフォンに繋いでおくことを推奨しています。Spark の新しい送信機は、スマートフォンと USB ケーブルで接続する Mavic のものとは異なり、送信機 – Spark間、送信機 – スマートフォン間をいずれも Wi-Fi で接続して使用します。送信機の Wi-Fi スポットに機体とスマートフォンがぶら下がるイメージです。しかし、別途 OTG ケーブルで接続すれば Mavic と同様に有線でも使用可能です。この場合、DJI Go 4 アプリの YouTube ライブストリーミング機能や Wi-Fi チャンネル選択、マスター・スレーブ選択などの一部の機能も開放されます。Spark の機能はもっと沢山ありますが、それらのほとんど Mavic や Phantom と共通する部分なので、先にレビューされている方も沢山いますので、ここでは割愛し、Spark ならではの機能や魅力に絞ってご紹介しました。Spark か Mavic Pro(Platinum)かで悩んでいる方は多いと思います。個人的には、風景の空撮や飛行そのものを楽しみたい方にはバッテリーが長持ちで、Spark よりも大きくて重たいことから安定性も高い Mavic、あるいは Phantom をおすすめします。風景の空撮は 100m 前後登って降りてくる程度のもので構わないから、GPS 付きでそれなりにちゃんとした、しかもお手頃なドローンが欲しいという方、空撮という新しい自撮りスタイルを試してみたい方には Spark から始めることをおすすめします。

■関連記事
MIUI 9のジェスチャーショートカット、ボタンコンボにアクションを設定可能
DJI、Osmo Mobile 2のセットアップや操作方法のチュートリアル動画を公開
Sony、Xperiaタブレット向けポータルサイト「My Tablet」を今年3月で提供終了へ




こんな記事もよく読まれています