「あの人だけは絶対に許さない!」源氏が根に持つ”小心者の義父”……世の移り変わりに翻弄され源氏復帰の影で笑った人や泣いた人 ~ツッコみたくなる源氏物語の残念な男女~



■「近くにいても逢えないほうが寂しい」ご無沙汰の恋人詣で帰京後、社会復帰を果たし、大臣という重職に就いた源氏ですが、プライベートは波乱含み。何と言っても明石の君とちい姫の件で、紫の上のご機嫌取りが大変です。せっかく戻ってきたのに、かつての恋人・愛人へはずいぶん不義理を働いていました。

やっと落ち着いた梅雨の間に、源氏は久しぶりに花散里の元へ。離れている間も源氏は援助を惜しみませんでしたが、何年かぶりに訪れた屋敷はますます荒廃していました。

それでも花散里とその姉・麗景殿女御は相変わらず慎ましく、穏やか。「水鳥が鳴くたびに戸を開けるけど、いつも入ってくるのは月の光ばかり…今日は珍しくあなたが来てくださったのね」。源氏がめったに来ないことをそれとなくいう様子も嫌味ではなく、源氏はやっぱり見捨てられない女だと思います。

「水鳥が鳴くたびに戸を開けていたら、私以外の月も入ってくるかもしれない。それじゃ困るね」。源氏は冗談でこう言いますが、花散里が浮気などするはずもない。長く逢わないでいても大丈夫、ある意味安心して放っておけるのも、花散里だからこそです。

それでも源氏が京に戻ってからすぐ来なかったのは堪えたらしく「あなたが須磨に行かれた時は、これほどの悲しみはないと思ったものだけど…お戻りになってから逢えない方が寂しかった」。ヒネるとか、持って回ると言ったところのない、花散里の素直な訴えは源氏の胸を打ちます。




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